看護師転職サイトは使わない方がいい?|ハローワーク2回・エージェント2回で比べてわかった使い分け
目次
「看護師転職サイトは使わない方がいい、って聞くけど本当?」
使わない方がいい人もいます。でも、全員ではありません。合うかどうかは、急ぎ度と、担当の人とのやりとりが好きかどうかで変わります。
この記事でいう「看護師転職サイト」は、担当の人がついて求人を紹介してくれる、看護師専門の転職エージェントのことです。
私は、ハローワークで2回、エージェントで2回、職場を決めました。
ハローワークでは、窓口に足を運んで進めました。エージェントは、子育て中で夜しか時間が取れなかったときに、LINEと電話だけで進められました。
どちらも使ってみて、向き不向きは「道具」より「そのときの自分の状況」で決まると感じました。
材料は、私の4回の転職と、厚生労働省・日本看護協会の公的な資料です。
「使わない方がいい」と言われる3つの理由
「使わない方がいい」と言われる理由は、だいたい次の3つです。
- 電話やLINEの連絡が多い
- 担当の人に勧められて、よく考えないまま決めてしまう心配
- 紹介される求人や、話の進め方が担当の人しだい
2つめの心配は、紹介料の仕組みから来ています。エージェントは、紹介した人が就職すると、採用した病院や施設から紹介料を受け取ります。
求職者がお金を払わないのは、法律で決まっています。職業安定法(32条の3第2項)では、紹介会社は求職者から手数料を取ってはいけないとされています。例外は、省令で決めた一部の高い賃金の職業だけです。
採用する側が払う額は、小さくありません。厚生労働省のまとめでは、看護の紹介1件あたりの平均手数料は72.5万円でした(令和6年度実績)。
病院の側から見た数字もあります。日本看護協会が病院に聞いた調査(2024年度・回答した3,471病院)では、看護職員を集めるために有料の紹介会社を使っている病院が53.1%ありました。
| 病院が払う紹介料 | 平均 |
|---|---|
| 年間の賃金に対する割合で決める場合(89.1%の病院) | 22.4% |
| 決まった額で払う場合(5.0%の病院) | 551,528円 |
紹介料があるから、担当の人は就職まで手厚く動いてくれます。同じ理由で、早く決めたい気持ちが働くこともあります。
私も、最初に体を壊しかけて辞めると決めたとき、担当の人の強い勧めには紹介料の事情もあったかもしれない、と今は思います。
仕組みを知っておけば、勧められても「自分の条件に合うか」で判断できます。
ハローワーク2回・エージェント2回で比べた
私が使ったときの違いを、表にまとめました。1人の看護師の体験で、地域や時期、担当の人によって変わります。
| ハローワーク(2回) | エージェント(2回) | |
|---|---|---|
| 求人 | ネットで見られる情報に限りがあり、窓口で聞いた | 担当の人が、合いそうな求人をLINEで送ってくれた |
| 面接 | 窓口の職員さんが事業所に電話して、面接の段取りを組んでくれた | 話せば、あとは担当の人が進めてくれた |
| 時間 | 窓口に行く時間が必要。子育てしながらだと取りにくかった | LINEと電話だけ。夜でも進められた |
エージェントでは、ほかにも次のことをしてもらいました。
- 面接で聞き忘れた「急に休むときの扱い」を、あとで代わりに確認
- 書いた履歴書を写真で送ると、添削
- 出たばかりの非公開の求人を、先に案内
- 入職した日のあとに「初日どうでしたか」の連絡
エージェントで困ったことは、小さいものでした。LINEが長くなりがちで、「1番の件は〜、2番の件は〜」と番号ごとに返事をするのが面倒でした。最初の電話も1時間ほどかかります。
エージェントでよかったのは、自分の頭になかった働き方を出してくれたことです。私は施設の求人を見ていたのですが、担当の人から訪問看護を勧められました。今の職場です。
ハローワークの求人がみな合わないわけではありません。先ほどの日本看護協会の調査では、看護職員を集めるためにハローワークを使っている病院は80.6%でした。紹介料を払うかどうかは、病院の事情でも変わります。
求人サイト(担当の人がつかず、自分で探して応募するサイト)も、かなり見ました。看護に絞って探しても介護の求人が混ざり、行ってみたいと思える求人は見つかりませんでした。応募のたびにエントリーシートを書くのも手間でした。
自分が今、使える時間が「平日の昼」か「夜だけ」かを、まず考えてみてください。
看護師は、どこで次の職場を見つけているか
日本看護協会の調査(2025年・会員のうち転職したことがある2,255人・複数回答)で、今の職場に就職したきっかけは次のとおりでした。
- 友人・知人からの紹介:31.0%
- 転職先のホームページの求人:21.3%
- ハローワークからの紹介:14.6%
- 民間の紹介会社(エージェント)からの紹介:12.4%
- ナースセンターからの紹介:9.0%
- 民間の求人情報サイト:7.9%
エージェントだけが道ではありません。いちばん多いのは、人づてです。
年代で分けると、若いほどエージェント、年代が上がるほどハローワークが多くなります。
| 年代 | エージェント | ハローワーク |
|---|---|---|
| 20代 | 22.4% | 8.8% |
| 30代 | 20.4% | 11.9% |
| 40代 | 13.3% | 13.6% |
| 50代 | 7.8% | 17.3% |
日本看護協会の会員に聞いた調査なので、看護職全体の割合ではありません。それでも、30代までは5人に1人ほどがエージェント経由で決めています。
知り合いに、働いている職場の様子を聞ける人がいるなら、それも立派な探し方です。
どちらを使うかの目安
私は窓口で進めましたが、ハローワークインターネットサービスでは、自宅から求人を探せます。オンラインで求職の申込みをすれば、自分で求人に応募する「オンライン自主応募」もできます。使える機能は、登録のしかたで変わります。
看護師には、都道府県ナースセンターもあります。看護職専門の無料の職業紹介で、全国に89か所あります。eナースセンターには、職業紹介の費用は一切かからないと書かれています。
2024年度のナースセンターでは、求職者68,724人に対して求人が172,522人で、求人倍率は2.51倍でした。求職者のうち45.3%は、看護職として働きながら登録していた人です。
どちらか一つに決める必要はありません。両方使うときは、どの求人に、どこから応募したかをメモしておきます。同じ病院に別のルートから応募すると、相手が困ります。
体がつらくて、辞めるかどうか自分で決められないときは、先に看護師を辞めたいのに決められないときを読んでみてください。
2つの箱のうち、当てはまる数が多いほうから試してみてください。
電話が多いのが心配なときの伝え方
電話が心配なら、最初に「連絡のしかた」を自分から伝えます。
私のときは、最初の電話のあと、やりとりはほとんどLINEでした。
紹介会社の中には、紹介した人がすぐに辞めたとき、紹介料の一部を病院に返す仕組み(返戻金制度)を設けているところがあります。「3か月は辞めないで」には、そうした事情もあるのかもしれません。
合わない求人を断るのは、悪いことではありません。担当の人と合わないと感じたら、ほかの担当の人に代わってもらえるか聞いてみる方法もあります。
最初に送る連絡のルール、頼めること、求人や担当の人の断り方は、看護師転職エージェントの使い方に文例つきでまとめました。
登録する前に、伝える4つをスマホのメモに書いておくと、最初の電話で言いやすくなります。
紹介会社を確かめる3つの方法
エージェントを使うなら、登録の前に次の3つを確かめられます。
- 厚生労働省の許可を受けているか
- 医療分野の認定を受けているか
- 守るべきルールを知っておく
1つめは、厚生労働省の人材サービス総合サイトで調べられます。許可番号のほか、就職した人の数、就職から6か月以内に辞めた人の数、手数料の率、返戻金制度の有無が、誰でも見られるように公開されています。
参考までに、看護の紹介で就職した人のうち6か月以内に辞めた人の割合は、紹介会社の平均で12.9%でした(令和5年度実績・期間の定めのない雇用のみ)。
2つめは、医療・介護・保育分野の適正な有料職業紹介事業者の認定制度です。国の基準を満たした紹介会社が認定され、一覧は日本人材紹介事業協会のページで見られます。認定は、基準を満たしたという意味で、担当の人との相性まで保証するものではありません。
3つめは、紹介会社が守る国の指針です。
- 紹介した人に、就職から2年間は転職を勧めてはいけない(期間の定めのない雇用の場合)
- 「社会通念上相当と認められる程度を超えて」お祝い金などで登録や応募を誘ってはいけない
- すぐに辞めたときに紹介料を返す仕組みを設けることが望ましい
1と2は、2025年1月から、紹介会社が許可を受けるための条件にもなっています。
登録しようと思っている会社の名前で、人材サービス総合サイトを一度検索してみてください。
次に読むなら、目的に合わせて選んでください。
- エージェントの電話を減らしたいとき:看護師転職エージェントの使い方
- 辞めるかどうか、まだ決めていないとき:看護師を辞めたいのに決められないとき
- 面接で退職理由をどう話すか迷うとき:看護師・PTの退職理由、面接での言い換え例
- PTの転職の探し方を見たいとき:転職サイト・エージェントの使い分け
調べ方と限界
この記事の材料は、次の方法で集めました。
- 体験:私(えみみ)の4回の転職(ハローワーク2回・エージェント2回)。場面をわかりやすくするために、まとめ直したところがあります
- 紹介料:厚生労働省「全国及びブロック別 職種別平均手数料(額・分布)」(令和6年度実績)、日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」(病院3,471施設が回答・回収率43.0%)
- 就職のきっかけ:日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」(会員から抽出・転職経験者2,255人)。会員の回答で、看護職全体の代表値ではありません
- ナースセンター:日本看護協会「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」(2024年度)、eナースセンター
- 制度:e-Govの法令(職業安定法)、厚生労働省(職業紹介事業の指針と許可条件、人材サービス総合サイト、職種別離職率、適正認定制度、ハローワークインターネットサービス)(2026-10-14確認)
私の体験は、1人の看護師の例です。ハローワークで合わない職場に当たったのも、エージェントでよい担当の人に当たったのも、私の場合の話です。地域や年代、そのときの担当の人によって、合う探し方は変わります。
よくある質問
看護師転職サイトは、本当に無料で使えますか?
看護師などの一般の求職者は、原則としてお金を払いません。職業安定法(32条の3第2項)で、紹介会社は求職者から手数料を取ってはいけないと決められています(省令で決めた一部の高い賃金の職業だけが例外です)。費用は、採用した病院や施設が払います。厚生労働省のまとめでは、看護の紹介1件あたりの平均手数料は72.5万円でした(令和6年度実績)。
ハローワークと転職エージェントは、一緒に使えますか?
一緒に使えます。どちらか一つに決める決まりはありません。ただ、同じ病院や施設に別々のルートから応募すると、相手が困ります。どの求人に、どこから応募したかをスマホのメモに残しておきます。
エージェントからの電話が多くて困るときは、どうすればいいですか?
登録のときや最初の電話で、連絡の方法と時間を先に伝えます。たとえば「連絡はLINEで、電話は平日の20時以降に」です。急いでいないなら「転職は半年後くらい」と時期も伝えます。私は、やりとりがほとんどLINEで、無理に応募を勧める担当の人はいませんでした。
ナースセンターは、今の職場で働きながらでも使えますか?
働きながら登録している人は多いです。日本看護協会のまとめでは、2024年度にナースセンターに登録した求職者のうち45.3%が、看護職として働いている人でした。職業紹介の費用は一切かからないと、eナースセンターに書かれています。
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転職は6つの工程に分けて考えると、次にやることが見えます。